レイオフの功罪
こんにちはAbbyです。
連日レイオフについて発信してきました。そのやり方が機械的だった、という批判もありますが、今日はレイオフのメリットについてお話ししたいと思います。
当然ながら会社、特にGoogleのような組織には、レイオフによって幾つかメリットがあります。
① 画一的な思考から多様性へ:これは正直、財務面での業績改善よりも大きなメリットと思います。同じメンバーが同じ課題に対応していると、どうしても思考の多様性に限度があります。ここで新しい思考を取り入れるのは、Googleのようなイノベーションカンパニーには、必須かと思います。新卒の大学生も、バンバン採用するそうです。
② リソースの再配分:欧米の会社は、社員数についてはスキルを基にして、詳細にコントロールします。どんなスキルがどれだけ必要か割り出し、そのスキルを持っている人を採用します。いわゆるジョブ型採用です。一つの部署が丸ごとなくなる、もしくはアウトソースされる、ということもあります。戦略としての取捨選択です。
一方社員にもメリットはあります。
① クロスポリネーション:これは花粉の交配時に使われる言葉で、ミツバチが花粉を次から次へと異なる花に交配することから、組織の文化を停滞/凋落させる事なく、新しい価値観を注入していく事を指します。自分の経験を新たな現場で活かすことができるわけです。実際、Googleでの経験とネームバリューは大きな強みとなり、次の会社で今以上の年収を狙うことが可能です。私は米国のスタートアップに一時期在籍していたのですが、Googleにいたような競争力の高い方は、引く手あまたで、西海岸から面接に来てくれるのであれば、会社は航空券も手配していました。実際採用してみると、やはりGoogleやNetflix等にいた社員はアップビートというか、新たな技術をどんどん採用し、その圧倒的なスピード感は驚きでした。
② 起業もあり:Googleに勤めるような社員は、どこかで起業を狙っています。起業して成功するも良し、大手にその技術を5−6人の会社ごと買い取って貰えばビリオネアです。最初から、Googleで定年まで社畜、なんて発想はない人の方が多いと思います。これはエンジニアのみならず、人事の人もコンサルになって成功している人も大勢います。Googleは彼らにとって、ただのStepping stone(通過点)です。
このように、レイオフをどう次のステップに活かしていくか、によって泣いて終わる人と成功していく人が全く違ってくるわけです。日本も昨今人材の流動性が高まってきました。50代の転職も増えてきました。10年も同じ会社にいれば、どんなに優秀な人の思考も型にはまってきます。安定がリスク、と言われる所以です。