こんにちはAbbyです。
今日は、転職の効果2として実際のケースについてお話ししたいと思います。
ある伝統的な日本企業(A社とします)が、停滞気味なビジネスに新しいアイデアとプロセスを導入するため、新進の会社(K社)から中途採用をしました。ポジションは企業戦略担当で、A社としてはビジネスモデル、システム、プロセスを見直そうという覚悟の採用でした。大勢の候補者と時間をかけて面接し、最終候補者とは社長ら幹部とその段階で方向性を擦り合わせての入社でした。中途採用の方も、K社での成功体験をもとに、やれることは沢山あるとの意欲に満ちての入社でした。
結果は散々でした。改善を急速に進めようとした等、プロセスの不手際はあります。ですが、既存の社員が変化を全く受け付けませんでした。丁寧に変更の理由を説明し、経営陣も後押ししました。ですが、やがて経営陣にも足並みの乱れが生じ結局数年の努力の果てに、その中途採用の方は退社されました。
先ほど言及した通り、チェンジプロセスがショボかった、さらにリーダシップの欠如という問題もあり失敗の要因は一つではありません。良くあるのが、コンサルタントや中途採用者が、これまでのやり方を全否定するようなケースで反発を食らうケースですが、既存社員にも危機感はあり、変わろうという意志もありました。ですがここでは長年のやり方、考え方、醸成されてきた文化というものがいかに動かざること山の如しであるかという事です。
昨今のニュースでも、社外からわざわざ招いたリーダーを短期間で降格したり、これまでの合併の弊害でシステム障害が繰り返し起こるといった事が伝えられています。転職という人材の流動を集合知に昇華させるには、継続的な努力が必要です。話し合いは、簡単な同意に至らないので気の重い作業となります。ですが、それでも人材流動によって発生する新旧、異なるアイデアの化学反応は大きな成果を生み出すものです。それって科学的に証明されているの?という方は、是非マシュー サイドの「多様性の科学」をお読みください。
貴方の会社は如何ですか?